アトリエMMスタッフ研修IN京都(唐長)

アトリエMMスタッフ研修IN京都(唐長)

1月5日、スタッフ研修で、京都の唐紙屋「唐長」サルヤマサロンへ行って参りました。

 

 

【唐長】

 

創業寛永元(1624)年。

京都に創業し、江戸時代より続いてきた日本に唯一現存する唐紙屋。

江戸時代から代々受け継がれた板木にひとつひとつ手仕事で和紙に文様を写しとり、襖紙や壁紙として桂離宮、二条城、養源院などの歴史的建造物や、現代の人々の暮らしにおいても様々に用いられています。

 

 

 

今回、唐長11代目当主千田堅吉氏の長女・愛子さんと共に次世代を担う、夫・トトアキヒコさんにお会いする機会を設けていただきました。(写真左:トトさん 右:愛子さん)

400年の歴史ある唐紙屋と聞いて、どんな年季の入ったところかと想像していたので、様々な唐紙アートとモダンな家具が配置された室内に、いい意味で驚いてしまいました。モダンでありながらも落ち着いた品のある空間です。

 

 

 

 

 

現在、板木を作る彫り師は途絶えてしまい、江戸時代から引き継いできた板木を大事に使い続けているそうです。400年の間には火事に見舞われ、水を張った桶に板木を沈めて、床下に隠し火から守ったこともあったといいます。こうして数を減らしながらも、守り続けようという思いが途切れなかった結果が今ここに残っている板木だと思うとひとつひとつが非常に尊く、受け継がれてきた「思い」を感じることができます、というトトさんの話を聞いて、スタッフ一同強く胸を打

たれたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐紙は主に「下地の色」と「柄の刷り色」の2色で構成されるので、色の組み合わせ方によって、パターンは無限に存在します。その組み合わせはどのように決めるのか尋ねると、例えば「石畳(グレー)の上に落ちた紅葉(赤色)」などといった、自然が偶然おりなした場面を日々心に留め、ストックをたくさん作っているので、そこから引き出して決めるんですよと教えてくださいました。

 

唐長文様『瓢箪』copyright KARACHOまた、キラ(雲母)をまぜて使うと光沢感が出て、絶妙な陰影が表現され、角度によって様々な表情を楽しむことができます。

 

ちなみに、唐紙の柄には全て意味があり、例えば左写真、唐長の中でも特に人気の高い『瓢箪(ひょうたん)』は種子が多いことから子孫繁栄、厄除けを意味する吉祥文様です。

 



唐長文様『小信夫』copyright KARACHO右は唐長文様『小信夫』

羊歯(シダ)科の植物『信夫(シノブ)』裏葉にたくさんの胞子を付けることから子沢山のシンボル、すなわち縁起の良い文様として尊ばれてきました。一方、文様自体も優しく特に女性に好まれ、具象的でありながら何処かモダンなことからインテリアに抵抗なく受け入れられています。

 



唐長文様『影牡丹唐草』copyright KARACHO左は唐長文様『影牡丹唐草』

牡丹文は中国、唐の時代にも流行した文様で、強さを表す唐草文と合わさって古くから愛好されてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、トトさんの奥様・千田愛子さんが出演している、JR「三都物語」のCMが、JR西日本のHPで公開されていますので、ぜひ皆様ご覧になってください。

http://santo.my-fav.jp/special/